平成30年3月23日(金)「モバイルフォーラム2018」が日経カンファレンスルームにて開催された。今回のテーマは「MVNOが更に成長するために必要な差別化戦略とは」。
各社のキーパーソンが登壇し、「MVNOの成長に必要なこと」「MVNOの目指す差別化」「2020年代のMVNOを考える」をテーマに講演とパネルディスカッションを行った。
一般社団法人テレコムサービス協会 会長 鈴木 幸一
総務省 総合通信基盤局長 渡辺 克也 様
㈱企 代表取締役 クロサカ タツヤ 氏
資料
「MVNOは飽和しているのか」を議題に挙げ、「右肩上がりに成長しており、市場のポテンシャルを考えると、もっと伸びる。一方で、モバイル業界の中で『飽和』している空気は感じる。それは『FREETEL』を運営していたプラスワン・マーケティングの経営が破綻したことで、『MVNOが曲がり角に来ているという空気が形成された』と感じたが、それは必ずしも市場の問題ではない」と述べた。
MVNOの生き残りに「差別化」という意見が見られるが、「差別化が有効になるためには、市場の成熟が必要で、いまだ右肩上がりに伸びているMVNOは発展途上であり、安易な差別化に走らないほうがいい」と意見提起した。
㈱情報通信総合研究所 上席主任研究員 岸田 重行 氏
資料
海外のMVNOは日本よりも早い2000年頃から存在し、新規参入は2010年-2011年をピークに鈍化傾向となっている。その中で、ドイツとオランダがサブブランドで存在感を示しており特徴的なのは、フィンランドで、2000年代前半にMVNO参入が相次ぎ、2005年にシェア12%に達したが、キャリアが相次いでMVNOを買収したことで、2007年にはシェア2%まで下がってしまった状況を示したが、海外の状況が日本も同様となると一概には言えず、日本のMVNO市場はこれからも伸びていくとの考えを示した。
(一社)テレコムサービス協会 MVNO委員会副委員長
㈱ケイ・オプティコム 経営戦略グループ 担当部長 百々 浩樹
MVNO委員会の活動報告として、運営分科会においては、「MVNOの事業環境の整備に関する政策提言」に基づく活動について、また消費者問題分科会において、「青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備への対応、消費者保護ルール実施状況モニタリング対応等について紹介した
【参考】MVNO委員会のWebページ
○モデレータ:
クロサカ タツヤ 氏
㈱企 代表取締役
○パネリスト:
嘉戸 彩乃 氏
LINEモバイル㈱
代表取締役社長
(ダウンロード資料なし)
橋本 昌一 氏
イオンリテール㈱
モバイル事業部長
資料
矢吹 重雄 氏
㈱インターネットイニシアティブ
MVNO事業部長
資料
上田 晃穂 氏
㈱ケイ・オプティコム
モバイル事業戦略グループ グループマネージャー
資料
有川 洋 氏
NECネッツエスアイ㈱
IoTビジネス推進室 事業戦略グループマネージャー
資料
岸田 重行 氏
㈱情報通信総合研究所
上席主任研究員
クロサカ タツヤ氏をモデレーターとして「MVNOが目指す差別化」「2020年代のMVNOを考える」をテーマにパネリストによる討論を行った。
現在のMVNO市場は、皆口をそろえて「MVNO市場はまだまだ伸びている」と答え、各社の取り組み方針等を語った。
LINEモバイル:シンプル路線で低解約率を維持する
IIJ:フルMVNOで差別化を図る
イオンモバイル:「お客様第一」を貫く
ケイ・オプティコム:mineoはユーザと一緒にサービスを作っていく
NECネッツエスアイ:IoT路線で差別化を図る
最後にモデレータのクロサカ氏が、「MVNOは新しいものにチャレンジしていく必要があること。そしてそれをどう商売につなげていくかが大事」とまとめ、終了した。
一般社団法人テレコムサービス協会 MVNO委員会委員長
(株)インターネットイニシアティブ 取締役
島上 純一
ご来場、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。
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